戦国BASARA的キャラ萌えをもう一歩進めてみる。
何?戦国BASARAと思ったらアイドルマスター?
そんな架空のキャラと私の政宗公を一緒にするの!?ムキー!
・・・・なんて方がいらしたら是非教えてください。
前振りでしたすみません。
ミリヲタ兼歴史ヲタを自認してはいるのですが、どちらもレベルとしては大したことなく。
正直、2ちゃんの専門板では相手にされないレベルでございます。
・・・・ってかあそこ学問的に研究してる専門家も混じってるだろwwwwww
とまあ、それはさておきまして「歴史がなんでそんなに楽しいの?」ということで。
BASARA的キャラ萌えもいいとは思うのですよ。でもそれだけじゃ勿体ないので、
もう一歩進めてみるのもいいかなと思ってしまうのです。
さて取り出しましたるはこれ、
美希の天下創世
前にもレビューしてます、ハッキリ言って私の大好物です。
レビュー記事はこちらです。↓
えっ なにこれすごい。 【美希の天下創世】 ※紙芝居動画
http://animecut.blog89.fc2.com/blog-entry-18.html
これに出てくるくぎゅ・・・・じゃない、騎兵を得意とする架空武将、水瀬伊織の扱いについて。

\いおりんの目配せマジ最高!/
元来、騎兵ってすごく評価が難しいんですよ。
よく「騎馬突撃」なぞ言われますが、あれにどの程度の効果があったのかなどは
その歴史的経緯も含めてよく議論になります。
モンゴルみたいに軽騎兵の弓戦術などは、比較的わかりやすいのですけれどね。
和弓と洋弓(この場合馬上で取り回しやすい小型の弓)のルーツにおけるサイズの違いは
素材と接着剤の違いだとか色々あるんですが、ばっさり割愛。
槍持って騎馬突撃に、どれほどの効果があったのかとか。
よく長篠の戦いは鉄砲VS騎馬の戦だったと言われますが、現実は大規模な追撃戦だったとか。
そうそう、最近NHKで休み休みやってる司馬遼太郎の坂の上の雲。
あれに出てくる日本騎兵の父、秋山好古のスタンスが反映して
最近の「騎兵突撃意味なし」論が強くなってるのかな?などとも思うわけですがこれも割愛。
とりあえず、騎兵には大きく分けて重騎兵と軽騎兵があって
重騎兵 近距離で攻撃 槍 重装備 遅い
人はもちろん、馬までも鎧を着ることがある 代表は中世ヨーロッパの重騎兵、騎士
軽騎兵 遠距離で攻撃 弓 軽装備 速い
人すら鎧を着なかったりする 代表はモンゴルの弓騎兵
※中世前期(鎌倉あたり)の日本武士は大鎧を着て弓を使うと言う変則的なスタイルですが
組み打ちも行っていたため、弓も使う重騎兵と分類されるケースが多いようです。
イメージ。
重騎兵


軽騎兵

なんとなく、重騎兵と軽騎兵の違いがわかっていただけたら嬉しいです。
さて、このゲームの伊織はと申しますと。
iM@S架空戦記シリーズ補完wiki 作品別用語集 - 美希の天下創世より。
http://www5.atwiki.jp/imaska/pages/21.html
水瀬伊織(みなせ・いおり)
* 能力(1554年晩秋時)政治:43 統率:77 知略:51 教養:71 特技:挑発、突撃壱、神速
* 足利将軍家に仕えるツンデレデコっ娘。公家としてプライドも高いが、決して傍観者となることを良しとしない。
* 星井家の援軍が初陣となり、騎馬隊で戦場を駆け大立ち回りを魅せた。人呼んで「公儀の神釘(しんてい)」。
o とある病気の患者らしき視聴者的には「神釘」と書いて「ごっどくぎゅ」と読むらしい。
* いつも一緒なうさちゃんの存在感に定評がある。伊織が登場したら顔枠の右下をチェック!
統率77 このゲームに武力はなく、また全体的に能力値が低めです。つまり統率77は武官として十分以上です。
例として、羽柴秀吉78、直江兼続78、高坂昌信77、蒲生氏郷77、小早川隆景77、
島津龍伯(義久)77、片倉景綱76、長宗我部国親(姫和子の親父)76
信長の野望を知ってる方には、伊織の統率77が相当優秀な部類だと、おわかりいただけたかと思います。
能力値、特技的には騎馬突撃専門部隊ですね。神速もあるのでとにかくよく動き、敵陣の急所に一撃を与える。
また、追撃戦にもかなり有用なはずです。逆に拠点防御には向かないでしょうね。攻め弾正です。
つまり、伊織の騎馬隊は弓でチクチクやる軽騎兵でなく、突撃で全てを決める重騎兵と考えるべきでしょう。
他にバックグラウンドとしては
水瀬家は公家、最高位は太政大臣になれる清華家と無茶苦茶な家柄の上に
商業に先見の明を見せており、当時の公家としては珍しく経済的に困窮していません。
15代将軍、足利義輝とは大の仲良しで、何を血迷ったか奉公衆に加わったこともあり
将軍家にも可愛がられている模様。
奉公衆とは、徳川幕府で言う旗本的存在ですかね、もうちょっと格上な感じですが。
公家の家柄などについてはこちら。
公卿類別譜
http://www.geocities.jp/okugesan_com/iekaku.htm
で、水瀬伊織のプロフィールがこれ。
身長 150cm 体重 39kg 誕生日 5月5日 血液型 AB型 B-W-H 77-54-79
ちっちゃいんです。いくら当時の日本人が小柄だったとは言え、身長はともかくあまりにも軽いです。
また、戦国時代、兵士の平均身長は意外と大きいという説もあったり。
このあたりは「平均」という言葉の意味から考えるべき部分でもあるのですが、それはさておき。
公家のお姫様で、親の先見的な意図で護身術的武術の心得はあったとしても
身長150体重39の女性が、馬上で殺傷力の高い槍を振り回すというのは、いささか無理ではないかと。
つまり、西洋風に馬上槍(この場合ランス)を小脇に抱えて突撃ってのは、ちょっと考えにくいんです。
馬の勢いで刺すまではできたとしても、抜けない。刀や薙刀はなおさらでしょう。
まして不安定な馬上で殺傷力を持つほど武器を振り回すのは大変ですよ。
「あるわけねーじゃんwwww」って否定は簡単なんですよ。無理矢理ねじ曲げる遊びです。
比較的自由になるのは「モノ」と「カネ」です。厳しいのは「体格」「性別」です。
で、考えた設定。
伊織は決して強くない。先見の明があった両親の教育により多少の武芸の心得はあるが
戦場で大立ち回りができるほどではない。護身術的には結構強いぐらいのレベル。
では、なぜこんなに活躍できるのか、その理由
↓
「馬がバケモノ」
具体的にどんな馬?
こんなの。

品種はペルシュロン、現在のフランス(ノルマンディー地方)で8世紀に成立した品種です。
Wikipedia:ペルシュロン より
ペルシュロン(Percheron)は、重種、冷血種に分類される馬の品種の1つ。原産地はフランス・ノルマンディーで、成立は8世紀に遡りフランス原産の重種にアラブ種等の血が入っているとされる。毛色は青毛、芦毛等が多く、体型はサラブレッドに比べ足が短く、胴が太い。体高(肩までの高さ)は160-170cmで大きなものでは2mを超える。体重は1トンにもなりサラブレッドの倍ほどにもなる。性格はおとなしく鈍重だが、非常に力が強く、馬によっては10馬力以上の力を発揮し、もはやこの品種には1馬力 = 馬1頭の仕事率は成り立たない。その強い力を生かし、馬車馬、挽馬、ショーなどに使われる。かつては軍馬として、全身甲冑を着こんだ重装騎兵の乗馬や、大砲の牽引などに用いられた。日本ではおもに北海道で導入された。ばんえい競馬にも使われ、初の1億円馬キンタローもペルシュロンの影響を強く受けている。
小柄な伊織と比較するとこんな感じ。

室町中期に、輸出された中東や中華圏で、その体躯と低い機動力から
売れそうだけど微妙に使えないという評価でシルクロードを流れ流れて、日本まで来ちゃった。
そんなペルシュロン数頭を別の公家が趣味で繁殖させ、その公家が経済的に困窮したところで
水瀬家がこのペルシュロン亜種数頭を丸々購入。
その中に丁度妊娠中の母馬がおり生まれた仔馬を気に入った伊織が
公家の姫として前代未聞なほど献身的に育てた結果、なついてしまった。
また、水瀬家は香道にも長けており、こういう理由も重なって↓

出典 http://www.equinst.go.jp/JSES/qanda/qanda-naiyo1.html
その巨大馬は伊織にだけ完全な信頼を寄せ、他の人間が乗ろうなんてしたら大暴れ。
戦場で伊織を乗せたら鬼神化するなど。
絵面(えづら)は、1.2トンぐらいの巨大馬にちっちゃな伊織が乗ってる状態です。
競馬サラブレッドの体重が概ね500kgですから、どんなことになってるかはまあ・・・・。
ばんえい競馬の馬に伊織ですね。あるいは北斗の拳の黒王や花の慶次の松風に伊織。

このサイズになると近接戦闘で馬が本気になれば、例え前足でも人間なんて一撃でしょう。
長槍と弓で追い込めばどうにかなるでしょうが、いくら槍の穂先を馬が怖がるとは言え
こんな馬にちっちゃな女の子が乗って暴れ狂って突撃してこられたら普通逃げますよ。
当時の兵からすれば、「見たことのないバケモノ」だったでしょうから。
ここまで馬が大きく、乗り手が小さいと鐙(あぶみ)の効果にもちょっと疑問符がつくので、
信頼する愛馬の鞍(くら)の上に体を固定する補助具を使用
伊織は両手を自由にして、戦場を駆けたのかもしれません。
馬の運動能力ですが、ペルシュロンでもダグ、キャンターでなくギャロップ(本気走り)で普通に走れるようです。
馬術競技をしてる写真まであります。そりゃギャロップで距離は持たないでしょうけど。

好きに遊んでるとこんな感じ。

・・・・・だいぶ軽快ですね。
とりあえず次、彼女は重武装だったのか? そうではないと考えます。
当世具足フル装備でなく、丸胴部分のみ。偶然かもしれませんが、日本で唯一現存してる女性用鎧も丸胴です。
これがなぜ丸胴なのかというのには、以前の大鎧に比べて軽量化された当世具足とは言え、
小柄な女性が着た場合は重さで相当に動きが制限されるという理由もある気がするんです。
伊織に関してはさらに足元の不安定な馬上ですし。
↓こちらが日本に唯一現存する女性用の鎧です。ちなみにこの鶴姫は架空の人物との説も。

鎌倉~室町の鎧に見えます。伊織が装備したとすれば、丸胴部分は当世具足の胴で
他の部分は派手好きな彼女らしく華やかな編み込みのされた鎧だったかもしれません。

写真右:室町末期から戦国時代にかけて発達した当世具足。それまでの大鎧と比べ、とても軽い。
最初に戻りますが 政治:43 統率:77 知略:51 教養:71 特技:挑発、突撃壱、神速
統率はまあそりゃこんな馬に率いられた騎馬隊が弱いわけもなく
馬の群れと考えたら彼女の愛馬はどう考えてもボスでしょうし、馬対馬の統率力も半端じゃないでしょう。
神速の理由はこのあたりと考えられます。
彼女とその愛馬本体の機動力についてですが、
体格で劣る日本の在来種馬に、鎧武者を載せた場合と比較しますと
木曽馬 体重400キロ に 体重55キロ、装備品(鎧+武器+鞍+旗指物)25キロ 合計で80キロ
※木曽馬は日本在来種で最も大柄です。歴史を経るにつれ小型化してるとの話もありましたので
その中でも大柄な400キロに設定しました。
ペルシュロン 体重1200キロ に 体重40キロ、装備品20キロ、馬装備40キロぐらい? の合計100キロ
自重と負担重量の比較で考えると、機動性はほぼ同じレベルになるのではないでしょうか。
下手すりゃ伊織たちの方が上かも。
同様の理由で持久力に関しては伊織たちの方に軍配が上がると思います。
母衣(ほろ)に関しては迷いました。流れ矢よけとしては第二次世界大戦の戦闘機における防弾板的に
役に立つようですが、やっぱり重い気がするんですよね。
いっそのこと愛馬の背までカバーできるマント(母衣の元はこれですが)を着てるかもしれません。
母衣というものはこれですね。↓織田家の黒母衣衆、赤母衣衆が有名です。マントが進化した形態です。

こうして勝手に作り上げた伊織像です。
鎧と小袖の組み合わせはこの感じ。

鎧のプロポーション全体像はさっきのこれ

出典 http://hkangawa.web.infoseek.co.jp/newpage22.html
女性用らしく胸部が出て腹部が締まるデザインですが
伊織の体型的に胸の余裕が必要かどうかは、うわなにをするおまえ7あqwせdrftgyふじこ
・・・・晴れやかな小袖の上に、上記丸胴タイプにデザインした当世具足の胴部分を装備したスタイルですかね。
考え方によってはヨーロッパ胸甲騎兵スタイルの先取りかもしれません。

あとは体を鞍に固定して両手をフリーに出来るため、長くて非常に軽い槍を用いて
矢や長槍(パイク)、ハルバードの穂先を避けるのが彼女の仕事。
(矢を得物で叩き落すのは厨二病の基本です)
近接したら馬大暴れで、ぼこぼこ蹴り倒してそれでも突進するみたいな。
伊織らしく、「具足なんて不恰好で着る気がしないわ!」なんて言いながらも
本音は愛馬の負担を少しでも減らしたくて自分は小袖と袴に最低限の丸胴装備で守備担当、
馬は西洋風重騎士装備で攻撃担当。
たとえ馬に西洋重騎士風の装備をさせたとしても、乗る人間がプレートアーマーを着た大男でなく
軽い丸胴しか着てない小柄な女性であれば機動力も変わるでしょう。
こうして重武装のバケモノ馬にちょこんと座った伊織が
矢を叩き落として突撃するなんて妄想が完成しました。
時代背景と設定を好き勝手にねじ曲げる遊びです。
真面目な話をするつもりは一切ありませんのでご了解頂きたく。
歴史ネタによるこんな無茶な楽しみ方はいかがでしょうか。
現実問題その時代に関する書物が発見されることはあっても
実際に見る事ができる人間は未来永劫いないのですから。タイムマシンができない限り。
<本当に迷ったこと>
最後まで迷ったのが馬の品種でした。他の候補は赤兎馬(汗血馬)と
アイルランド輓馬(ばんば)(=Irish Draught) イギリスの近衛兵につかわれてる馬でした。

見栄えは圧倒的にIrish Draughtがいいのですが、体重が750kg前後とペルシュロンに比して小柄なこと、
また足の細さなど、どうしても馬本体に攻撃力を求めることが難しく
馬上の人間による戦闘に重点がおかれること(それが当たり前なのですが)
そして伊織のイメージがイギリスより大陸的なこともあり却下。
赤兎馬(汗血馬)は赤いし、「兎」の文字もあるのでイメージはいいのですが
この子孫がアカールテケ、そしてサラブレッドの始祖に続くという説もあることを考えると、
どうしても赤兎馬は体重500前後の軽種馬なんですよね。
そうなるとIrish Draught以上に、馬自身の攻撃力に疑問符がつくのです。
そんなわけでペルシュロン、フランス(ノルマンディー地方)原産。
伊織かなと。痛機もラファール(フランス軍機)でしたし。

他、適当に参考資料など。
胸甲騎兵
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%B8%E7%94%B2%E9%A8%8E%E5%85%B5
鶴姫 (大三島)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B6%B4%E5%A7%AB_%28%E5%A4%A7%E4%B8%89%E5%B3%B6%29
アイルランド輓馬 Irish Draught
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%BC%93%E9%A6%AC
さいごに。
まさか勘違いされる方はいらっしゃらないと思いますが、この記事自体私が独自に解釈したもので
「美希の天下創世」というすばらしい作品に対してカスほどの影響すら及ぼすものではないことをご理解ください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
こんなアホなことを妄想したくなるぐらい、面白いでっせ。
美希の天下創世
別所家の縁側にて。
http://nariharu.blog47.fc2.com/
作者、別所就治Pのブログです。
えっ なにこれすごい。 【美希の天下創世】 ※紙芝居動画
http://animecut.blog89.fc2.com/blog-entry-18.html
↑私のレビュー記事です。ニコニコ動画のアカウントなしでも、5話まで今すぐ見れますよ。
20100206
そんな架空のキャラと私の政宗公を一緒にするの!?ムキー!
・・・・なんて方がいらしたら是非教えてください。
前振りでしたすみません。
ミリヲタ兼歴史ヲタを自認してはいるのですが、どちらもレベルとしては大したことなく。
正直、2ちゃんの専門板では相手にされないレベルでございます。
・・・・ってかあそこ学問的に研究してる専門家も混じってるだろwwwwww
とまあ、それはさておきまして「歴史がなんでそんなに楽しいの?」ということで。
BASARA的キャラ萌えもいいとは思うのですよ。でもそれだけじゃ勿体ないので、
もう一歩進めてみるのもいいかなと思ってしまうのです。
さて取り出しましたるはこれ、
美希の天下創世
前にもレビューしてます、ハッキリ言って私の大好物です。
レビュー記事はこちらです。↓
えっ なにこれすごい。 【美希の天下創世】 ※紙芝居動画
http://animecut.blog89.fc2.com/blog-entry-18.html
これに出てくるくぎゅ・・・・じゃない、騎兵を得意とする架空武将、水瀬伊織の扱いについて。

\いおりんの目配せマジ最高!/
元来、騎兵ってすごく評価が難しいんですよ。
よく「騎馬突撃」なぞ言われますが、あれにどの程度の効果があったのかなどは
その歴史的経緯も含めてよく議論になります。
モンゴルみたいに軽騎兵の弓戦術などは、比較的わかりやすいのですけれどね。
和弓と洋弓(この場合馬上で取り回しやすい小型の弓)のルーツにおけるサイズの違いは
素材と接着剤の違いだとか色々あるんですが、ばっさり割愛。
槍持って騎馬突撃に、どれほどの効果があったのかとか。
よく長篠の戦いは鉄砲VS騎馬の戦だったと言われますが、現実は大規模な追撃戦だったとか。
そうそう、最近NHKで休み休みやってる司馬遼太郎の坂の上の雲。
あれに出てくる日本騎兵の父、秋山好古のスタンスが反映して
最近の「騎兵突撃意味なし」論が強くなってるのかな?などとも思うわけですがこれも割愛。
とりあえず、騎兵には大きく分けて重騎兵と軽騎兵があって
重騎兵 近距離で攻撃 槍 重装備 遅い
人はもちろん、馬までも鎧を着ることがある 代表は中世ヨーロッパの重騎兵、騎士
軽騎兵 遠距離で攻撃 弓 軽装備 速い
人すら鎧を着なかったりする 代表はモンゴルの弓騎兵
※中世前期(鎌倉あたり)の日本武士は大鎧を着て弓を使うと言う変則的なスタイルですが
組み打ちも行っていたため、弓も使う重騎兵と分類されるケースが多いようです。
イメージ。
重騎兵


軽騎兵

なんとなく、重騎兵と軽騎兵の違いがわかっていただけたら嬉しいです。
さて、このゲームの伊織はと申しますと。
iM@S架空戦記シリーズ補完wiki 作品別用語集 - 美希の天下創世より。
http://www5.atwiki.jp/imaska/pages/21.html
水瀬伊織(みなせ・いおり)
* 能力(1554年晩秋時)政治:43 統率:77 知略:51 教養:71 特技:挑発、突撃壱、神速
* 足利将軍家に仕えるツンデレデコっ娘。公家としてプライドも高いが、決して傍観者となることを良しとしない。
* 星井家の援軍が初陣となり、騎馬隊で戦場を駆け大立ち回りを魅せた。人呼んで「公儀の神釘(しんてい)」。
o とある病気の患者らしき視聴者的には「神釘」と書いて「ごっどくぎゅ」と読むらしい。
* いつも一緒なうさちゃんの存在感に定評がある。伊織が登場したら顔枠の右下をチェック!
統率77 このゲームに武力はなく、また全体的に能力値が低めです。つまり統率77は武官として十分以上です。
例として、羽柴秀吉78、直江兼続78、高坂昌信77、蒲生氏郷77、小早川隆景77、
島津龍伯(義久)77、片倉景綱76、長宗我部国親(姫和子の親父)76
信長の野望を知ってる方には、伊織の統率77が相当優秀な部類だと、おわかりいただけたかと思います。
能力値、特技的には騎馬突撃専門部隊ですね。神速もあるのでとにかくよく動き、敵陣の急所に一撃を与える。
また、追撃戦にもかなり有用なはずです。逆に拠点防御には向かないでしょうね。攻め弾正です。
つまり、伊織の騎馬隊は弓でチクチクやる軽騎兵でなく、突撃で全てを決める重騎兵と考えるべきでしょう。
他にバックグラウンドとしては
水瀬家は公家、最高位は太政大臣になれる清華家と無茶苦茶な家柄の上に
商業に先見の明を見せており、当時の公家としては珍しく経済的に困窮していません。
15代将軍、足利義輝とは大の仲良しで、何を血迷ったか奉公衆に加わったこともあり
将軍家にも可愛がられている模様。
奉公衆とは、徳川幕府で言う旗本的存在ですかね、もうちょっと格上な感じですが。
公家の家柄などについてはこちら。
公卿類別譜
http://www.geocities.jp/okugesan_com/iekaku.htm
で、水瀬伊織のプロフィールがこれ。
身長 150cm 体重 39kg 誕生日 5月5日 血液型 AB型 B-W-H 77-54-79
ちっちゃいんです。いくら当時の日本人が小柄だったとは言え、身長はともかくあまりにも軽いです。
また、戦国時代、兵士の平均身長は意外と大きいという説もあったり。
このあたりは「平均」という言葉の意味から考えるべき部分でもあるのですが、それはさておき。
公家のお姫様で、親の先見的な意図で護身術的武術の心得はあったとしても
身長150体重39の女性が、馬上で殺傷力の高い槍を振り回すというのは、いささか無理ではないかと。
つまり、西洋風に馬上槍(この場合ランス)を小脇に抱えて突撃ってのは、ちょっと考えにくいんです。
馬の勢いで刺すまではできたとしても、抜けない。刀や薙刀はなおさらでしょう。
まして不安定な馬上で殺傷力を持つほど武器を振り回すのは大変ですよ。
「あるわけねーじゃんwwww」って否定は簡単なんですよ。無理矢理ねじ曲げる遊びです。
比較的自由になるのは「モノ」と「カネ」です。厳しいのは「体格」「性別」です。
で、考えた設定。
伊織は決して強くない。先見の明があった両親の教育により多少の武芸の心得はあるが
戦場で大立ち回りができるほどではない。護身術的には結構強いぐらいのレベル。
では、なぜこんなに活躍できるのか、その理由
↓
「馬がバケモノ」
具体的にどんな馬?
こんなの。

品種はペルシュロン、現在のフランス(ノルマンディー地方)で8世紀に成立した品種です。
Wikipedia:ペルシュロン より
ペルシュロン(Percheron)は、重種、冷血種に分類される馬の品種の1つ。原産地はフランス・ノルマンディーで、成立は8世紀に遡りフランス原産の重種にアラブ種等の血が入っているとされる。毛色は青毛、芦毛等が多く、体型はサラブレッドに比べ足が短く、胴が太い。体高(肩までの高さ)は160-170cmで大きなものでは2mを超える。体重は1トンにもなりサラブレッドの倍ほどにもなる。性格はおとなしく鈍重だが、非常に力が強く、馬によっては10馬力以上の力を発揮し、もはやこの品種には1馬力 = 馬1頭の仕事率は成り立たない。その強い力を生かし、馬車馬、挽馬、ショーなどに使われる。かつては軍馬として、全身甲冑を着こんだ重装騎兵の乗馬や、大砲の牽引などに用いられた。日本ではおもに北海道で導入された。ばんえい競馬にも使われ、初の1億円馬キンタローもペルシュロンの影響を強く受けている。
小柄な伊織と比較するとこんな感じ。

室町中期に、輸出された中東や中華圏で、その体躯と低い機動力から
売れそうだけど微妙に使えないという評価でシルクロードを流れ流れて、日本まで来ちゃった。
そんなペルシュロン数頭を別の公家が趣味で繁殖させ、その公家が経済的に困窮したところで
水瀬家がこのペルシュロン亜種数頭を丸々購入。
その中に丁度妊娠中の母馬がおり生まれた仔馬を気に入った伊織が
公家の姫として前代未聞なほど献身的に育てた結果、なついてしまった。
また、水瀬家は香道にも長けており、こういう理由も重なって↓

出典 http://www.equinst.go.jp/JSES/qanda/qanda-naiyo1.html
その巨大馬は伊織にだけ完全な信頼を寄せ、他の人間が乗ろうなんてしたら大暴れ。
戦場で伊織を乗せたら鬼神化するなど。
絵面(えづら)は、1.2トンぐらいの巨大馬にちっちゃな伊織が乗ってる状態です。
競馬サラブレッドの体重が概ね500kgですから、どんなことになってるかはまあ・・・・。
ばんえい競馬の馬に伊織ですね。あるいは北斗の拳の黒王や花の慶次の松風に伊織。

このサイズになると近接戦闘で馬が本気になれば、例え前足でも人間なんて一撃でしょう。
長槍と弓で追い込めばどうにかなるでしょうが、いくら槍の穂先を馬が怖がるとは言え
こんな馬にちっちゃな女の子が乗って暴れ狂って突撃してこられたら普通逃げますよ。
当時の兵からすれば、「見たことのないバケモノ」だったでしょうから。
ここまで馬が大きく、乗り手が小さいと鐙(あぶみ)の効果にもちょっと疑問符がつくので、
信頼する愛馬の鞍(くら)の上に体を固定する補助具を使用
伊織は両手を自由にして、戦場を駆けたのかもしれません。
馬の運動能力ですが、ペルシュロンでもダグ、キャンターでなくギャロップ(本気走り)で普通に走れるようです。
馬術競技をしてる写真まであります。そりゃギャロップで距離は持たないでしょうけど。

好きに遊んでるとこんな感じ。

・・・・・だいぶ軽快ですね。
とりあえず次、彼女は重武装だったのか? そうではないと考えます。
当世具足フル装備でなく、丸胴部分のみ。偶然かもしれませんが、日本で唯一現存してる女性用鎧も丸胴です。
これがなぜ丸胴なのかというのには、以前の大鎧に比べて軽量化された当世具足とは言え、
小柄な女性が着た場合は重さで相当に動きが制限されるという理由もある気がするんです。
伊織に関してはさらに足元の不安定な馬上ですし。
↓こちらが日本に唯一現存する女性用の鎧です。ちなみにこの鶴姫は架空の人物との説も。

鎌倉~室町の鎧に見えます。伊織が装備したとすれば、丸胴部分は当世具足の胴で
他の部分は派手好きな彼女らしく華やかな編み込みのされた鎧だったかもしれません。

写真右:室町末期から戦国時代にかけて発達した当世具足。それまでの大鎧と比べ、とても軽い。
最初に戻りますが 政治:43 統率:77 知略:51 教養:71 特技:挑発、突撃壱、神速
統率はまあそりゃこんな馬に率いられた騎馬隊が弱いわけもなく
馬の群れと考えたら彼女の愛馬はどう考えてもボスでしょうし、馬対馬の統率力も半端じゃないでしょう。
神速の理由はこのあたりと考えられます。
彼女とその愛馬本体の機動力についてですが、
体格で劣る日本の在来種馬に、鎧武者を載せた場合と比較しますと
木曽馬 体重400キロ に 体重55キロ、装備品(鎧+武器+鞍+旗指物)25キロ 合計で80キロ
※木曽馬は日本在来種で最も大柄です。歴史を経るにつれ小型化してるとの話もありましたので
その中でも大柄な400キロに設定しました。
ペルシュロン 体重1200キロ に 体重40キロ、装備品20キロ、馬装備40キロぐらい? の合計100キロ
自重と負担重量の比較で考えると、機動性はほぼ同じレベルになるのではないでしょうか。
下手すりゃ伊織たちの方が上かも。
同様の理由で持久力に関しては伊織たちの方に軍配が上がると思います。
母衣(ほろ)に関しては迷いました。流れ矢よけとしては第二次世界大戦の戦闘機における防弾板的に
役に立つようですが、やっぱり重い気がするんですよね。
いっそのこと愛馬の背までカバーできるマント(母衣の元はこれですが)を着てるかもしれません。
母衣というものはこれですね。↓織田家の黒母衣衆、赤母衣衆が有名です。マントが進化した形態です。

こうして勝手に作り上げた伊織像です。
鎧と小袖の組み合わせはこの感じ。

鎧のプロポーション全体像はさっきのこれ

出典 http://hkangawa.web.infoseek.co.jp/newpage22.html
女性用らしく胸部が出て腹部が締まるデザインですが
伊織の体型的に胸の余裕が必要かどうかは、うわなにをするおまえ7あqwせdrftgyふじこ
・・・・晴れやかな小袖の上に、上記丸胴タイプにデザインした当世具足の胴部分を装備したスタイルですかね。
考え方によってはヨーロッパ胸甲騎兵スタイルの先取りかもしれません。

あとは体を鞍に固定して両手をフリーに出来るため、長くて非常に軽い槍を用いて
矢や長槍(パイク)、ハルバードの穂先を避けるのが彼女の仕事。
(矢を得物で叩き落すのは厨二病の基本です)
近接したら馬大暴れで、ぼこぼこ蹴り倒してそれでも突進するみたいな。
伊織らしく、「具足なんて不恰好で着る気がしないわ!」なんて言いながらも
本音は愛馬の負担を少しでも減らしたくて自分は小袖と袴に最低限の丸胴装備で守備担当、
馬は西洋風重騎士装備で攻撃担当。
たとえ馬に西洋重騎士風の装備をさせたとしても、乗る人間がプレートアーマーを着た大男でなく
軽い丸胴しか着てない小柄な女性であれば機動力も変わるでしょう。
こうして重武装のバケモノ馬にちょこんと座った伊織が
矢を叩き落として突撃するなんて妄想が完成しました。
時代背景と設定を好き勝手にねじ曲げる遊びです。
真面目な話をするつもりは一切ありませんのでご了解頂きたく。
歴史ネタによるこんな無茶な楽しみ方はいかがでしょうか。
現実問題その時代に関する書物が発見されることはあっても
実際に見る事ができる人間は未来永劫いないのですから。タイムマシンができない限り。
<本当に迷ったこと>
最後まで迷ったのが馬の品種でした。他の候補は赤兎馬(汗血馬)と
アイルランド輓馬(ばんば)(=Irish Draught) イギリスの近衛兵につかわれてる馬でした。

見栄えは圧倒的にIrish Draughtがいいのですが、体重が750kg前後とペルシュロンに比して小柄なこと、
また足の細さなど、どうしても馬本体に攻撃力を求めることが難しく
馬上の人間による戦闘に重点がおかれること(それが当たり前なのですが)
そして伊織のイメージがイギリスより大陸的なこともあり却下。
赤兎馬(汗血馬)は赤いし、「兎」の文字もあるのでイメージはいいのですが
この子孫がアカールテケ、そしてサラブレッドの始祖に続くという説もあることを考えると、
どうしても赤兎馬は体重500前後の軽種馬なんですよね。
そうなるとIrish Draught以上に、馬自身の攻撃力に疑問符がつくのです。
そんなわけでペルシュロン、フランス(ノルマンディー地方)原産。
伊織かなと。痛機もラファール(フランス軍機)でしたし。

他、適当に参考資料など。
胸甲騎兵
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%B8%E7%94%B2%E9%A8%8E%E5%85%B5
鶴姫 (大三島)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B6%B4%E5%A7%AB_%28%E5%A4%A7%E4%B8%89%E5%B3%B6%29
アイルランド輓馬 Irish Draught
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%BC%93%E9%A6%AC
さいごに。
まさか勘違いされる方はいらっしゃらないと思いますが、この記事自体私が独自に解釈したもので
「美希の天下創世」というすばらしい作品に対してカスほどの影響すら及ぼすものではないことをご理解ください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
こんなアホなことを妄想したくなるぐらい、面白いでっせ。
美希の天下創世
別所家の縁側にて。
http://nariharu.blog47.fc2.com/
作者、別所就治Pのブログです。
えっ なにこれすごい。 【美希の天下創世】 ※紙芝居動画
http://animecut.blog89.fc2.com/blog-entry-18.html
↑私のレビュー記事です。ニコニコ動画のアカウントなしでも、5話まで今すぐ見れますよ。
20100206
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No title
騎兵突撃は西洋では有効な戦法であったことは議論の余地がありません。
突撃は、敵を殺す、よりも、敵の陣形を混乱させて、士気に対するダメージを与えるほうが大きいでしょう。
突撃が有効でなかったならば、グスタフ・アドルフは殉教して騎兵の戦術はカラコールになっていたはずです。
日本で騎兵が「機動弓兵」になってしまったのは、多分に馬が小さすぎたせいではないでしょうか。
対していおりんのあの馬はどうかですが……。
孤立したら長槍と弓でフクロなような気がしますが、騎兵部隊として、軍隊のシンボル的存在にしたら、その士気に与える影響はハンパではないと思います。
前線から一歩引いたところで射撃に専念したらいいと思いますが、間違っても先頭に立って抜刀突撃なんかしないように(^^)
秋山将軍の「騎兵ダメ」議論は、そもそも「機関銃」ができて以降の話だということをお忘れなく……。
突撃は、敵を殺す、よりも、敵の陣形を混乱させて、士気に対するダメージを与えるほうが大きいでしょう。
突撃が有効でなかったならば、グスタフ・アドルフは殉教して騎兵の戦術はカラコールになっていたはずです。
日本で騎兵が「機動弓兵」になってしまったのは、多分に馬が小さすぎたせいではないでしょうか。
対していおりんのあの馬はどうかですが……。
孤立したら長槍と弓でフクロなような気がしますが、騎兵部隊として、軍隊のシンボル的存在にしたら、その士気に与える影響はハンパではないと思います。
前線から一歩引いたところで射撃に専念したらいいと思いますが、間違っても先頭に立って抜刀突撃なんかしないように(^^)
秋山将軍の「騎兵ダメ」議論は、そもそも「機関銃」ができて以降の話だということをお忘れなく……。
Re: No title
>ポール・ブリッツさま
悩みました。しかし。本文中で書いてますように。
>真面目な話をするつもりは一切ありませんのでご了解頂きたく。
なのです。
ここに出てくる伊織がミンメイアタックをよしとするキャラでもないわけで、
根本が「ミンメイアタックだと面白くない!」から始まる無茶振りなんですよ。
※ 逆にあずささんは内政までもミンメイアタックやってます。
ひどい方向音痴の彼女が城を出て道に迷うたび、街道が整備されますwww
で、私も頂いたコメントに「ぱくり」と行きそうな部分もあるのですが、それやると議論になるんですよね。
(つ、つ・・・釣られないぞっ!)
というわけで議論の続きは2ちゃんねる世界史・軍事板で!
ごめんなさい、これぐらいでいかがでしょうか。
悩みました。しかし。本文中で書いてますように。
>真面目な話をするつもりは一切ありませんのでご了解頂きたく。
なのです。
ここに出てくる伊織がミンメイアタックをよしとするキャラでもないわけで、
根本が「ミンメイアタックだと面白くない!」から始まる無茶振りなんですよ。
※ 逆にあずささんは内政までもミンメイアタックやってます。
ひどい方向音痴の彼女が城を出て道に迷うたび、街道が整備されますwww
で、私も頂いたコメントに「ぱくり」と行きそうな部分もあるのですが、それやると議論になるんですよね。
(つ、つ・・・釣られないぞっ!)
というわけで議論の続きは2ちゃんねる世界史・軍事板で!
ごめんなさい、これぐらいでいかがでしょうか。
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